渡辺 隆 ● 日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業 Rational プロダクト・マネージャー
text by Takashi Watanabe
はじめに──ソフトウェア開発をコア・ビジネス・プロセスに
その昔、ソフトウェア開発業務、あるいはソフトウェア・ビジネスには、ある種の「楽しさ」がありました。新しいテクノロジーが日進月歩で生まれ市場に提供されてきたこと、業界自体が若く高い成長を遂げていたこと、市場参入障壁が低かったことなどがその理由です。
ここで言う「市場参入障壁」は、2つの意味を持っています。1つは、ビジネスとしてのソフトウェア市場に参入する敷居が低かったということ。要するに、ユニークなアイデアとそれを(ソフトウェアによって)実現できるスーパー・プログラマーさえいれば、ソフトウェア・ビジネスを興すことができたと言っても過言ではなかったのです。基本的にソフトウェアの製造コストは微々たるものですから、販売したソフトウェアがヒットすれば、企業は多くの利益を享受できていました。
より重要なのはもう1つの障壁です。それは、市場が急速に伸びていたことに伴い、ソフトウェア開発を行うエンジニアには、資格や大学での専攻などが細かく求められず、いわば「だれでもシステム・エンジニアになれる」という現実がまかり通っていたということです。
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