「企業戦略を基に「人材体系」を構築し、戦略的人材育成計画を立案・実施する」の続編は次回にまわすことにして、今回は、コラムらしい内容にしました。筆者のUS出張時の経験と、人材育成に関する企業と個人の取組みについてお話します。
US出張での出来事
もう10年近く前になりますが、筆者が日本オラクルで研修本部ジェネラルマネージャを務めていたとき、上司は当時の佐野力社長だけでなく、USオラクルのワールドワイドエデュケーションサービスのトップのシニア・バイスプレジデントでもありました。そのトップの下、ビジネス戦略の共有や状況報告のため、USで3ヶ月に1度のタイミングで戦略ミーティングが開催されていました。出席者は、ワールドワイドの4リージョン(アメリカリージョン、ヨーロッパ・アフリカリージョン、アジアリージョン、ジャパンリージョン)の代表や関係者の20名くらいでした。
筆者にとって英語でのミーティングはつらいものがあり、初日の朝は勇気を振り絞らないと、正直怖くてホテルの部屋から出て行けないほどでした。土日をつぶして必死になって英会話スクールに通っていましたが、それなりにこなせるようになったのは、1年以上経った後のことだったと記憶しています。
戦略ミーティングの開催場所は、シリコンバレーのヘッドクォーターではなく、西海岸の有名なリゾート地が多く、月曜から木曜までがミーティングで、金曜にはそれぞれ家族をよんでバケーションというのが通例でした。
また、木曜の夜はラップアップパーティが催され、家族も参加できることもあって出席者の楽しみになっていました。ファイナンシャル担当のバイスプレジデントもミーティングに毎回出席しており、夫人も大抵はパーティに参加していました。
筆者と何度か顔を合わせるうちに仲良くなりましたが、あるとき「英語がうまくなったね。どうやったの?」と聞かれました。筆者は得意げに、休日に英会話スクールに通っていることを話しましたが、そうすると、彼女は真っ赤な顔をして怒り出したのです。「なぜ、休みなのに仕事のために時間を使うのか。もっと家族と一緒にいるべきだ」、そう言って「Life is very short.」と付け加えました。
育成プランのPDCA=人生設計
そのときは、事情も知らずに何を言っているんだと、内心思っていました。文化の違いかなと。ところが、時間が経つにつれ色々考えるようになりました。
人生の一番体力的にも精神的にも充実している期間は、仕事をすることにほとんどの時間を使っています。少なくとも月曜から金曜まで一日に8時間以上働き、それ以外は食事をしているか寝ている時間が占めるでしょう。
つまり、人生の一番いい期間を、仕事に費やしているとも言えます。そう考えれば、その時間をいかに楽しく前向きに、達成感のある充実したものにするかが大事だということになるでしょう。自分の成長に真正面から向き合って、どうすれば成長できるかというPDCAを廻すことは、人生設計そのものになるに違いありません。
企業として人材が財産だと言うのならば、効果的に人材の育成に投資していく責任があるし、個人にとっても自分の考えと組織の方向性を見極め、成長する努力が必要です。そう考えて進めれば、IT関係の仕事も魅力的なものになり、現在のような低い位置づけに甘んじていることはなくなるはずです。
企業の経営層や管理層が、またそれぞれ個人が自覚して積極的に進めていけば、必ずやりがいのある誇らしい世界を再び取り戻せるに違いありません。
UISSやITSSなどスキル標準が、問題を解決してくれるわけではありませんが、理解してうまく活用すれば何がどうなっているか、将来どうあるべきかをきれいに見える化することができます。
大げさに聞こえるかもしれませんが、うまく使えるか使えないかは、企業の理念や個人の思想が本物かどうかにかかっており、今後伸びる側と淘汰される側に、ますますはっきりと分かれて行くように思います。
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スキルスタンダード研究所 代表取締役社長ユーザー企業IT部門、国内・外資ITベンダでの経験を活かした人材育成の仕組みづくりのコンサルティングサービスを提供しています。プロフェッショナルとして外部の新鮮な風を送り込むことが大きな使命と考え、幅広く貢献していく所存です。
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